「北斗七星」と「南斗六星」のお話

西の星空

2024年6月30日0時頃のさいたま市の西の低い星空


 2024年の6月30日の夜空では,春の星空が沈んでいき、夏の星空が見えやすくなっています。


 今日は、「おおぐま座・こぐま座の物語」をご紹介します。

 皆さんは7つの星がひしゃくの形に並んでいる北の空にあるこの星の並びを何というかご存じですよね。 そう。北斗七星ですね。これ、日本では柄杓星と呼ばれてきましたが、国際的にはおおぐま座の一部分。 大熊の背中からしっぽの部分です。で、「北斗」があれば「南斗」がありそうですよね。 あるのです。南の空、いて座の弓の部分に、北斗七星によく似た星の並びがあります。

 いて座はさそり座の東にあり、半人半馬のケンタウロスが弓を射ている姿です。 で、北斗七星に似た星の並びは、このいて座の中にあります。
 北斗七星に似ているでしょう。でも、柄杓の柄の星が1つ少ないのです。で、これを南斗六星と言います。

 中国に、この「北斗七星」と「南斗六星」についてのお話しが伝わっていますので、ご紹介しましょう。

 「三国志演義」と言う本に登場する、“卜占(ぼくせん)神のごとし”と呼ばれた占いの名手、管輅(かんろ) と言う人にまつわるお話です。つまり、管路という人の占いは神様のように良く当たる、 と言われていたのです。

 ある時、その管輅が、畑仕事をしている1人の若者に目をとめました。年齢を聞くとその若者の年は 十九歳でした。管輅はため息をつき、「若いのにかわいそうだが、君の寿命は間もなく尽きる」と 言いました。
 言われた方はビックリ、まだ19歳なのです、命を永らえる方法は無いのですかと、管輅に尋ねると、 しばらく考えた後、管輅は、「あるとすれば・・・」 「明日、南の山の麓の大きな桑の木の下で、老人が二人、碁を打っているから、上等なお酒を一樽と、 おいしいごちそうをたくさん持っていって、ただ黙って、そのお酒とごちそうを二人に勧めなさい。 くれぐれも話しかけてはいけないよ。」と教えてくれました。

 翌日、若者は言われたとおりに、南の山の麓に出かけてみると、確かに、大きな桑の木の下で 二人の老人が夢中になって碁を打っていました。 そこで若者は、管輅に言われたとおりに、二人にお酒とごちそうを差し出しました。すると二人の老人は、 何も言わずに、そのお酒とごちそうに手を延ばします。お酒とごちそうがなくなりそうになると 若者はまた、次のお酒とごちそうを差し出します。これをずーっと続けていますと、しばらくして ようやく若者に気づいた北の方の老人が、「そんなことをしても、おまえの寿命は決まっている。 どうにもならん。」と言いました。すると、南側の老人が取りなすように、「そうは言っても、 酒もごちそうもさんざん飲み食いしてしまったのだ。何もしないわけにはいくまい。」と言って、 懐から一冊の帳簿を取り出しました。ページをめくると、そこには若者の名前と十九歳という寿命が 書き込まれていました。なるほど、この寿命を延ばして欲しいのだな、と言って老人は、十九の前に 「九」という文字を書き加え、九十九としました。

 そしてそのあと、「いいか、『今後は決して天が定めたことを漏らしてはならぬ、漏らせば天の お咎めがあるぞ。』と、戻ったら管輅にそう伝えておけ!。」と言うと、老人は二人とも鶴に姿を 変えて飛び去ってしまったそうです。

 若者が里に帰って管輅にその顛末を話すと、管輅は、「北側の老人は北斗七星で人間の死を司る仙人、 南側の老人は南斗六星で人間の生を司る仙人なのだ。」と、若者に教えてくれたと言うことです。
 中国では、北斗七星も南斗六星も人間の生死を司る仙人だったのですね。

 では今日の星物語のご紹介はここまでです。

著:Shiba

(c)さいたまプラネタリウムクリエイト 2024

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